喫煙による髪へのデメリット


煙草は体に様々な悪影響を及ぼします。

そしてそれは髪や頭皮も例外ではありません。

それでは、具体的にどのような悪影響を及ぼすのでしょうか?

今回は喫煙による髪へのデメリットについて考えてみましょう。

①ビタミンが消費される。


ニコチンなどの成分が原因で活性酸素が発生し、この活性酸素を攻撃するためにビタミンCが消費されます。
タバコ1本につき、約25mgのビタミンCが消費されるといわれています。
ビタミンCは頭皮環境を整えたり、毛細血管に必要なコラーゲンの生成を促したり、他にも抗酸化作用や鉄分の吸収を助けたりなど、髪に大きく関わっています。

さらに、ニコチンはビタミンCだけでなくビタミンB群とビタミンEまで消費します。
ビタミンB群にもビタミンEにも、髪に必要な栄養が多く含まれています。
ビタミンは他の栄養素に比べ、必要な量を毎日しっかり摂取するのが難しいものですので、できるだけ無駄な消費は避けたいところです。

②毛細血管が縮まり、血行不良に繋がる。


ニコチンには毛細血管の収縮作用があり、縮まってしまった血管では必然的に血流が滞ってしまいます。また、これが原因で体温の低下も起こり、血流の流れは更に低下します。

健康な髪を育てるには、血液を頭皮に巡らせ栄養と酸素を送ることが重要です。
血行不良で髪に栄養が行き渡らなくなってしまえば、せっかく髪のために摂取した栄養も無駄になってしまいます。
髪が栄養不足になると、細く弱い髪になったり、ヘアサイクルが乱れ抜け毛が増えたりなどといった症状が出てきます。


豆知識「頭皮の色で血流チェック」

頭皮にきちんと血液が巡っているかどうかは、頭皮の色でチェックできます。
青白い頭皮は、血液が巡っている証拠です。
逆に、赤っぽかったり褐色ぎみな頭皮は、血流が滞っているサインになります。
(この時、日焼けした頭皮ではなく地肌をチェックするようにしましょう)

③肝臓機能の低下


体に取り込まれた栄養は、肝臓の働きによって体が活用できる形に合成・変換されます。
しかし、喫煙することによって肝臓はニコチンなどの有害物質の解毒活動に集中してしまい、摂取した栄養を合成・変換できなくなります。

解毒活動は肝臓に負担を与え、これを積み重ねると肝臓機能の低下に繋がります。
髪に必要な栄養も肝臓で作られるため、肝臓機能が低下してしまうと髪に必要な栄養を摂取しても効果が期待できなくなります。


沈黙の臓器

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、感覚神経があまり通っておらず、ダメージを受け異常が起きてもなかなか症状を自覚できません。
気づいたら手の施しようが無いほどに症状が悪化していた、なんてこともあります。
髪だけでなく身体のためにも、自分は大丈夫などと思わず、気を遣ってあげることが大切です。

④自律神経が乱れる


ニコチンには自律神経を興奮させる働きがあります。
タバコを吸うとリラックスしたような状態になるのは、ニコチンが脳に作用しアセチルコリンという神経伝達物質を出して、副交感神経を刺激するからです。
この偽物のリラックス状態が続き精神的にニコチンに依存してしまうと、ストレスへの抵抗力が弱まり、タバコを吸わないとイライラして落ち着かない状態になってしまうのです。

さらに、自律神経が乱れることで、頭皮から皮脂が過剰に分泌されてしまうことがあります。


禁煙によって自律神経が乱れる?!

ニコチンに依存してしまっている状態で禁煙を行うと、ニコチンが途絶えアセチルコリンが送られず副交感神経が働かなくなることがあります。
自律神経は交感神経と副交感神経のバランスを保つことが大事ですが、このように副交感神経が十分に働かなくなると、交感神経が優位となり自律神経のバランスが乱れ、自立神経失調症に似た症状になってしまう恐れがあります。

ここで重要なのは、「禁煙したことで自律神経が乱れ抜け毛が増えた」「ストレスが溜まった」というのは言い訳でしかなく、それらは元を辿れば喫煙していたことが原因だということです。
喫煙により乱されていた自律神経は、禁煙を続けていれば徐々に正常な働きに戻っていきます。 長い目で見れば、喫煙し続けるより禁煙した方がいいことは明確です。